アクターとディレクターの役割【稽古場からの考察】
演劇は、総合芸術と呼ばれる芸術文化。
いくつものセクションから成り立つ芸術が総合芸術と呼ばれますが、
演劇は本当に手間のかかる芸術だなぁ、と。(笑)
いや、芸術というものは造形も音響も種類にかかわらず手間がかかるものですね。
今回は、演劇におけるアクターとディレクターの役割について書いていきます。
稽古場には(ほぼ)必ずこの役割を担う人が居ます。
*アクター=演技者
*ディレクター=演出家
※ディレクターとアクターを兼任する場合もあります。
ディレクターは『作品を俯瞰してパッケージングする仕事』
アクターは『作品の中で登場人物として彩りを加える仕事』
とでも言いましょうか。
アクターとディレクターの役割分担
稽古場は「作品創りの共同作業の場」であり「本番」です。
本番で観客に『心が動く体験』をしていただきたい一心でそこに居ます。
まだ見ぬ観客に向けて、何かを伝えたいのです。
ディレクターは常にそんなことを考えつつ必死に言葉を紡ぐ生き物です。
アクターとして稽古場に居る時には毎日が「本番」で、家で準備したことを相手役とセッションし、
目の前のディレクターをいかに楽しませるかを考えます。
筆者の場合ですが、
ディレクターとして稽古場に居る時には「作品創りの場所」の気持ちが強く出ます。
アクターとして稽古場に居る時には「本番」の気持ちが強く出ます。
これを書いている筆者は今ディレクターの役割で稽古場に行くため、
こういうことを書くのは恥ずかしいというかむず痒い気持ちになる(笑)のですが・・・。
今お付き合いしているアクターには、
これを意識して稽古場に来てもらえたら1回1回の返し稽古がより濃密で意義あるものになると
伝えたいと思っています。
アクターはディレクターを楽しませて喜ばせる気持ちで挑むこと!!
ディレクターはよく見ています。
アクターたちのちょっとした仕草、呼吸、その心理までよ~~く見ています。
だから、一瞬も気が抜けません。
そして、最終的に受け止めてくれるのもディレクターです。
毎回、本番。
この考え方には信頼関係が必要ですし、
覚悟が必要です。
毎回目の前にいる観客=ディレクターを楽しませるって、結構大変な仕事です。
でも、
たったひとりの目の前の観客を引き込めないのに劇場で何ができるのだろうか?
ディレクターに教えてもらおうという気持ちで稽古に行ってはいけない
のは、こんな理由からです。
ディレクターは
良質な作品を創り上げる為、アクターに要求をします。
時に厳しい要求が飛び出すこともあるでしょう。
それでも、ディレクターは最高の観客に間違いありません。
稽古場で、オーディションで、
目の前のたったひとりの観客を楽しませてみてください。
♬演劇をやってみたいけど演劇ワークショップや演技レッスンに参加することが不安・・・な方へ♬
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