演劇で食べていくことについて、本気で考えてみてもいいかも
ENTRY ACT代表のちゆです。
好きなことを仕事にしたい!演劇で食べていきたい!方は大変多く、
現実は厳しいです。
成長している他の業界は『雇用』の環境がある程度整っているので
『就職』のかたちでお仕事にすることができます。
対する演劇業界は『雇用』の環境がほぼありません。
財源のある大きな劇団に入団すれば食べていけるのかというと一概にそうとは言えませんし(まずは研究生として学費を支払って学び、一部の方だけが所属することができる)、
芸能プロダクションに入所しても大抵の場合はエキストラで下積みをすることになりますのでアルバイトなど時間に融通の利く副業を続けざるを得ません。
演劇業界で食べていこうと思うのであれば、
大学を卒業して就職して昇進する サラリーマンとしての働き方
ではなく
個人で仕事をする 事業者としての働き方
の選択をしなければいけません。
従業員であれば毎月ある程度安定した収入が見込めます。
ですが事業者は仕事が取れなければ/成果を上げられなければ収入がゼロになることだってあります。
事業主マインドが必要なのです。
演劇で食べていきたいとお思いなのであれば、まず
従業員→事業者
このように考え方を変えなければその目標達成は難しいでしょう。
事業主マインドって言うとごりごりビジネスチックで引いてしまいそうになりますが、
何も難しいことはありません。
個人商店の八百屋さんと同じです(笑)。
★一日の売り上げ×営業日数=月の売り上げ
★お客様一人当たりの売り上げ×人数=月の売り上げ
演劇で食べていきたい!方の多くが(時間の融通を利かせるために)時間給でお仕事をしていると思いますが
それは
★時給×月の勤務時間=月収
の計算式になりますよね。
事業者マインドって何かというと、先にちょっとお話ししましたが
成果報酬の覚悟をする
ということです。
時給で勤務すると(例えば飲食店で)ノーゲストでも時給が発生しますよね?
事業者の場合にはノーゲストだったらたとえ10時間働いてもその日の収入はゼロです。
演劇で食べていきたい!と仰る方の多くは
演劇で商売をきちんと成り立たせよう、とされていません。
お金を払って舞台に出演したり(で、舞台が終わったらまたバイトでお金を貯める・・・)
5年経っても10年経っても「修行中」「仕事にするための準備中」だったり
結果演劇から離れてしまいます。
お金を支払って出演しているうちは・・・それは仕事とは呼べません。
一体何十年準備をしたら「準備完了」なのでしょうか。
僭越ながら
演劇で食べていきたいのにそれが叶っていないと今お思いの方に足りないものは
覚悟です。
お客様に対して覚悟を持ってください。
責任を持ってください。
だって、
あなたは演劇以外のことで食べられていて生活できているから、
「良いものを提供できなければ生活できなくなる」リスクを負っていないのですよね?
いくらあなたが修行中だからと言い訳しても、
その修行で出演した舞台を観に来てくださったお客様がいらっしゃいますよね?
演劇のプロって、良いものを提供できない(売れない)ということは・・・死を意味するんです。
演劇に限らず、おそらくどの業界も同じです。
実際に生活を追い込んでほしいわけではありませんが、そのくらいの危機感を持てば行動が変わりますからそれこそ来月から成果を出し始めることも可能です。(当然、やり方はあります)
修行中なのであればあなたのお客様にチケット代を請求してはいけません。
安価なチケット代であっても。
そこまでの覚悟を持って演劇に向き合っていただきたいのです。
演劇で食べていこう、と思っていてもそれが現状叶っていない方は
『演劇できちんとお金を得られなければ生活できない』危機感を持って
今一度今月どうするかを考えてみてください!
明日やろう・いつかやろうは一生やりません。
今、ここから何ができるでしょうか。